8/28(土)電子工作ワークショップを開催しました!

【中級】チカチカ LED クリスマスカードの作り方

はじめに 

今回作成するのは「チカチカ LED クリスマスカード」です!

みんな待ち遠しいクリスマス。クリスマスといえば様々な色に光るイルミネーションなどが印象的ですね。

そんなイルミネーションを手軽に作成できるキットをご用意しました!

細かい部品を使うため少々難しいかもしれませんが、クリスマスを彩ること間違いなし!なのでぜひ作ってみてください!

電子工作キットについて

今回の電子工作キットは下記メルカリショップで販売しておりますので、ぜひ購入してみてくださいね。

注意事項

作成するにあたり下記内容を気を付けてください。

⚫ 部品はとがっているものもあるのでけがをしないよう気をつけてください

⚫ 説明書に沿って進めてください。

⚫ もし不明点などございましたらTwitter、もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください

以上のことを守って楽しくすすめていきましょう! 

つくってみよう! 

はじめに部品がちゃんとあるか、確認をお願いします。

⚫ CD ケース 

クリスマスカードの本体になります。部品がすべて収まるようになっています。


図 1 CD ケース

⚫ 電池ボックス(配線済み) 

ボタン電池を入れるケースです。ボタン電池をいれるのは大変なため取り付け前にボタン電池をセットします。

図 2 電池ボックス 

⚫ ボタン電池 

ボタン電池(CR2032)を 1 つ使用します。ピンセットで触れると危ないので手で扱ってください。



図 3 ボタン電池(CR2032)  

⚫ チップ LED(作業中にお渡しします) 

イルミネーションとして使用します。小さい部品なのでなくさないよう気をつけましょう。 

図 4 チップ LED(表・裏)  

⚫ リードスイッチ(装着されています) 

ケースの開閉を検出するセンサです。磁石を近づけるとスイッチが ONになります。 

図 5 リードスイッチ(配線前の状態)  

⚫ CdS センサ(装着されています) 

光に反応して流れる電流量が変化します。暗くなると電気が点灯する製品に使用されています。 ちなみにセンサーの部分に使われている材料は絵の具の顔料に使用されています。

図 6 CdS センサ(配線前の様子) 

⚫ 6 ゲート入り NOT ゲート IC(装着されています) 

入力された値に対して反転させた値を出力します。LED を点滅させるために使用されます。

図 7 NOT ゲート IC(配線前の様子)  

⚫ チップセラミックコンデンサ(装着されています) 

点滅動作をさせるために必要な部品です。電気を一時的の蓄えるのが特徴です。

図 8 チップセラミックコンデンサ  

⚫ チップ抵抗器(装着されています) 

流す電流量を調整するために使用します。 

図 9 チップ抵抗器(表・裏)  

⚫ 導電マーカー 

書いたところが電気を通す配線です。日本のメーカが開発しています。

図 10 導電マーカー 

⚫ 磁石 

ケースの開閉を検出するために使用します。 

図 11 磁石  

⚫ クリップ 

メッセージカードを固定する役割と電源の ONOFF のために使用します。

図 12 クリップ(ゼムクリップ)  

⚫ 台紙 

部品の配置と配線の手がかりが記載されています。CD ケースに張り付けます。 IC が張り付けられています。曲げたりすると剥がれてしまうから注意して扱ってください。

図 13 配置配線シール 

⚫ アルミテープ 

クリップを装着させるところに使用します。クリップがスイッチの役割になるため材料です。

図 14 アルミシール  

⚫ メッセージカード 

作成した回路の上に挟めて後ろから LED で照らしてキラキラさせます。

図 15 メッセージカード 

組み立ててみよう 

部品はすべてありましたでしょうか? もし無いようであればTwitter、もしくはお問い合わせフォームからご連絡いただければと思います。(特別な部品は無いため個人で購入し用意することも可能です。) 

では、下記手順に沿って組み立てていきましょう!! 

1. CD ケースに台紙を張り付けます。 

CD ケースのふたの方に張り付けましょう!貼り付け方向はふた側を下、CD を格納する方を上に なるようにおいてください。台紙をセロハンテープを使って CD ケースに張り付けていきます。

図 16 貼り付けの様子(台紙の下部)  

台紙の上部も同様にセロハンテープで貼り付けいきます。この時に、台紙についている IC からのびる ジャンパー線(黒いコード)もセロハンテープで固定してしまいましょう! 

図 17 貼り付けの様(台紙の上部) 

上部もけていできたら、次にアルミテープを下の灰色に合わせて貼り付けます。

図 18 アルミシールを張り付ける  

アルミテープの余りは裏に回して貼り付けます。アルミテープが張り付けられたらジャンパー線を取り付けます。 

まずは、電池の上部から伸びているジャンパー線を二つ張ったアルミテープの左側に固定します。固定するときはセロハンテープを使ってください。 

  図 19 ジャンパー線を取り付け様子  

同様にして今度は IC 側から伸びているジャンパー線を固定します。IC の一番左側から伸びているジャンパー線を固定します。これで完了です。コードも固定しましょう! 

図 20 ジャンパー線を取り付け完了  

2. CD ケースの CD 取り付け部分を取り外します。 

図の様にケースと CD 取り付け部分の爪の箇所を離すようにして取り外します。
ポイントは隙間を開くようにすると外れます。 

図 21 外している様子  

ケース上部の爪が外れれば少し傾ける状態で CD 取り付け部が動きます。 

図 22 外れたときの様子  

無理に力を入れるとケースが割れることがありますので気をつけてください。

3. シールに記載されているとおりに導電マーカーで線をつないでいきます。

点線で記載されている場所をマーカーでなぞっていきます。なぞる範囲は点線から外れても問題はありません。 

図 23 なぞっている様子  

LED の部分は三角マークがあります。塗るときは三角マークの上 1 ミリほど間をあけておきましょう!

図 24 塗り終えた様子 

塗り終えたらジャンパー線を固定してきましょう。IC の左から 2 番目に出ているジャンパー線をクリスマスツリーの下に丸で塗った箇所に固定します。固定するときはセロハンテープで上から押さえつけるように貼り付けます。 

図 25 LED 配線(ツリーの下)のジャンパー線固定  

固定ができたら、次はクリスマスツリーの右側に丸く塗った箇所に残りのジャンパー線をつなげます。 こちらも同様に固定します。 

図 26 LED 配線(ツリーの右)のジャンパー線固定  

以上で配線は完了です。

4. 電池を挿入しましょう! 

挿入の仕方は下記図で説明致します。 

図 27 電池ケースとボタン電池(左)・+を上にしてケースに入れる(右)  

電池の向きは文字がいっぱい書いてある方が“+”になります。文字が書いてある方を上にしてケースの爪が電池の上部にかかるように入れます。 

図 28 電池ケースに装着する  

爪がかかっていることを確認し、浮き上がっている箇所を上部から強く押し込みます。この時、 強い力で押し込むので周りにものがぶつかって壊れるものがないか確認し押し込みます。

5. 部品をシールに記載されている位置に接着していきます。 

テープのりや、セロハンテープを使って部品を取り付けていきましょう! 

まず、取り付ける部品は電池ボックス(電池は装着済み)です。 

『電池』と記載されている箇所にテープのりをつけていきます。 

図 29 張り付ける場所にテープのりを付ける  

多少はみ出ても大丈夫です。塗り終えたら電池ボックスを貼りましょう。 

図 30 部品をのせる  

部品をのせたら少し押さえつけるようにして固定します。 

同様にして、リードスイッチを取り付けていきましょう!台紙の向きにあわせてリードスイッチをセロハンテープで固定しましょう! 

図 31 リードスイッチの取り付けの様子 

6. 取り付ける LED を選択しましょう! 

続いてLEDを取り付けていきます。
色は 2 種類又は 1 種類で選択してください。混ざらない様に注意してください。
以下の方法で進めてください。 

まずは黒塗りの三角マークの箇所に注目します。塗ってしまうと確認しにくいので参考として下記に写真をのせておきます。 

図 32 張り付ける場所を確認(黒塗り三角マーク)  

三角マークの向きと LED の裏に記載されている三角マークの向きが一致する方向を確認します。

図 33 LED の裏面のマークを確認  

確認ができたら、LED をピンセットで配置します。塗ってない所をまたぐようにしておきます。

図 34 LED の三角マークが下になるようにのせる 

のせることができたら、小さく切ったセロハンテープで上から固定します。 

セロハンテープの大きさは特にありませんが小さいほうが扱いやすいです。 

図 35 セロハンテープで上から固定する  

同様にして残りの黒塗り三角マークも固定していきます。この時、LED の種類は同じものになるようにして張り付けてください。 

黒塗り三角マークが完了したら、白塗り三角マークも同様にして張り付けていきましょう。 小さい部品ですので丁寧に扱いましょう! 

図 36 全体に張り付けられた状態 

7. クリップを指定に取り付けます。 

クリップはアルミテープで貼って箇所をまたぐように貼り付けます。 

二つのアルミテープをまたいでいるときはクリップが導電して電源が ON になります。 この状態で LED がピカピカ点灯します。(光っていない LED があった場合は張り直しましょう)  

図 37 クリップ装着の様子  

電源を切るときはクリップをスライドさせてアルミテープをまたがないようにすると電源が OFF になります。 

8. 磁石を取り付けます。 

CD ケースの台紙を張り付けた反対側の箇所に磁石を張り付けます。 

図 38 磁石の取り付け場所 

磁石を固定するのにセロハンテープで上から固定します。貼り付け時に磁石の向きは気にしなくて大丈夫です。 

図 39 磁石の取り付け様子(左:固定前・右:固定後)  

9. どうさをかくにんする 

磁石の取り付けが完了したら動作確認をしましょう!静かに CD ケースを閉じてみましょう。

図 40 ふた閉じの動作確認(右:開いている・左:閉じている)  

正常に動作している場合は、 LED が開いているときは光っていますが、ふたを閉じると LED が光らなくなります。 皆さんはここで動作は確認できましたか? 

注)ここで動作がしなかった時は下記内容を参考にしてみてください。(以下の原因が考えられます。 )

Q.LED がすべて光らない 

A.ジャンパー線が浮いていたり、ずれてしまっ たりしている可能性があります。 

Q.LED で光らないものがある 

A.LED がずれている可能性があります。

10. メッセージカードを入れてみましょう! 

メッセージカードを挿入するときは左側の爪の下に引っ掛けるようにしてメッセージカードを入 れて、右の爪にも引っ掛けます。メッセージカードを記入してから挿入するとうまくいくと思います。

図 41 メッセージカードを挿入する  

11. 完成!! 

メッセージカードがずれてしまわない様にセロハンテープで固定するといいと思います。
これで完成です!! 

図 42 完成した様子  

作成、お疲れ様でした!

しばらく使用しない場合は電池を長く保つために、クリップの位置をずらしてくださいね。 

動作機構(回路)の紹介

今回作成してもらった回路はこんな感じでした。 

おうちの方にどんな仕組みで動いているか聞いてみよう!! 

図 43 作品の回路図

動作機構(回路)の細かい説明

動作の説明については下記に詳細な説明を記載しておりますので興味がある方はご一読ください。

LED が交互に点灯して見えていますが、回路図から見ると同じ線上に LED が存在しています。これは 交番電流を各々の LED に供給しているからです。 

LED の供給前段階の NOT ゲートは出力バッファ回路として使用しています。トランジスタレベルで いえば H ブリッジの様なふるまいをさせます。そのため、NOT ゲートには差動信号が入力されること で電流が流れます。発振させる動作はここでは行っていません。 

左下の 3 つの NOT ゲートが連なっているところが発振回路になります。真ん中の NOT ゲートの出力側にコンデンサは、右の NOT ゲート出力から CdS センサをとおして充電されます。

CdS センサは明るさで抵抗値が変化する性質があり、コンデンサへの充電時間を変化させます。コンデンサに充電され、電圧が一定値を超えると左の NOT ゲートの入力への電圧閾値を超えるため、左の NOT ゲートの 出力が変化します。

そうすると真ん中と左の NOT ゲートの出力も数珠つなぎで変化します。

この動作 が繰り返されるため発振します。真ん中の NOT ゲートの出力から上に NOT ゲートはリードスイッチ が ON すると、出力の役割の NOT ゲートの入力信号が一致するため、LED の両端の電位差がなくなり、LED が消灯します。 

以上が主な動作です。 

尚、シュミットトリガーを使用していますが、動作としては NOT ゲートであれば問題はありません。使用理由ですが、この IC が CMOS 型で動作電圧が低いため、ボタン電池の電圧でも動作が保証さ せるため使用しています。

なんで交互に点灯するんだろう? 

LED は日本語にすれば“発光ダイオード”と呼ばれます。“発光”は何となくわかりますが、“ダイオー ド”とは何でしょうか?ダイオードは“決まった方向に電流を流す”という部品のことです。 

他の色の LED は同時に使えないの? 

LED は光るのに必要な電圧が決まっています。今回の回路は部品数を減らして手順を少なくするため に抵抗器を省いています。(本来は LED1 つに抵抗器1つ)そのため、LED が並列で接続されています。並列で接続した場合、LED にかかる電圧は一番低い電圧で固定されてしまう現象が起きます。 

例えば、赤 LED と白 LED を並列で使用した場合は赤 LED の約2V で点灯しますが、2V で電圧が 固定されてしまうため、白 LED の約 3.5V までの電圧が供給できないため、点灯することができません。しかし、黄緑 LED は約2V なので点灯します。 

表 1 LED の比較  

https://www.marutsu.co.jp/pc/static/large_order/led から抜粋

最後に

いかかでしたでしょうか。

細かい部品が多かったため、少々作成に手こずってしまったかもしれません。
クリスマスカード以外にも様々な作成キットを作っているため、もし機会がありましたらこちらの方も作成いただけますと嬉しいです。